女性の地位は花から戦力へ

男女雇用機会均等法が施行されて、すでに30年あまりが経過しています。この間何度かの大きな改正を経て現在に至っています。法律上は、男女の性による差別は禁止されています。しかし、現実社会ではまだまだ男性に比べその待遇や地位に改善が求められているのが実情でしょう。

そもそも女性の社会進出はいつごろから始まったのでしょうか。はるか昔、平安時代の商業や農業には、貴重な働き手としての経済活動の重要な一部分になっていました。江戸時代になり、日本経済の中で商業が重要な地位を占めるにつれて、その立場を強くしていきました。しかし、あくまで男性の補佐的な役割を担う限定された地位にあることが一般的だったようです。明治維新を経て、急速に近代化を進める日本でようやく、少しずつ本格的な進出が始まりました。企業経営や商店の経営に、男性と同じような立場で活躍する女性が登場しました。それでも、本格的な変化は戦後の民主化体制まで待たざるをえませんでした。

そして現在、社会進出の度合いを男女で比較した場合、どのような状況にあるでしょうか。一つの目安は、転職の容易さにあると言われています。多くの企業では、今も男性が圧倒的な数で経営を握っています。また男性の転職はごく一般的に雇用市場で受け入れられています。それに対し、女性の場合、どの程度転職市場が整っているのかという点に疑問を感じる人は多いでしょう。医師や看護師、弁護士など特別な資格を有する人は別にして、ごく普通の職業においても同じように雇用が流動化されて初めて、男女が同じように社会に貢献できるのではないでしょうか。